2代目キーボーディスト光田健一さんの突然の脱退。ツアーを控えるスターダスト・レビューは、急遽サポートメンバーを探すことに。そこで出逢ったのが添田啓二さん、岡崎昌幸さん。スタレビ第3期を支える2人との出逢い、そして現在までのヒストリーをご紹介。
新生スタレビ サポートメンバー2人との出逢い
添田啓二さん、岡崎昌幸さんの2人は、今やスタレビにはけっして欠かすことのできないメンバーです。正式メンバーにはなっていないものの、スタレビもファンも6人でスタレビ、そう思っています。この2人がいたからこそ、新生スタレビが生まれ、今のスタレビがある、と言っても過言ではないのでは。すべての事には意味がある。三谷さんが脱退したから光田さんの加入があり、光田さんの脱退があったから添田さん、岡崎さんとの出逢いがあった。そう思うのです。
添田啓二さん スタレビ加入の経緯
添田さんは、スタレビとも仲の良いKANさんのサポートを務めたキーボーディスト。KANさんと仕事をしていた時のマネージャーから「スタレビやりませんか?」との連絡。「やるやる!」と即答。添田さんは以前からスタレビの大ファン。ライブで出待ちをしたこともあるとか。そんなスタレビを大好きな人がスタレビのサポートメンバーに加入したのですから、心強いに決まっています。KANさんからの太鼓判もあり、添田さんはオーディションはなく、ライブのリハーサルの初日にスタレビと初対面したとの事。忘れもしない2001年12月25日だそう。
「Style」ツアーは2002年1月19日から始まりました。スタレビにとってキーボードというのは大きなウエイトを占めるものだと感じます。歴代のキーボーディストが積み上げてきたサウンドを踏まえ、新たなスタレビサウンドを構築できるミュージシャン。添田さんはそこにきっちりとハマる素晴らしいピースだと思うのです。
添田さんの師匠ともいえるミュージシャンが、2020年に亡くなったキーボーディストの小林信吾さんです。信吾さんは、角松敏生さん、KANさんなど数えきれないほどの多くのアーティストと関わる日本を代表するキーボーディストです。編曲を手がけたKANさんの大ヒット曲「愛は勝つ」は日本レコード大賞を受賞。角松さん、KANさんからの信頼は絶大です。そんな信吾さんがKANさんのサポートメンバーにと推薦したのが添田さんなのです。そしてその出逢いがスタレビへと続いており、信吾さんが亡くなった時に添田さんは大きな感謝を捧げていました。
岡崎昌幸さん スタレビ加入の経緯
ボーカル、コーラスのスタジオミュージシャンとして活動していた岡崎さん。いわば声のプロ。CMソングやカラオケのガイドボーカルなど歌の仕事を主にしています。花王の洗濯洗剤「アタック」のCMソング、「まばゆい光の中~♪」は聴き覚えがある方も多いのではないでしょうか。圧倒的なボーカルスキルと低音パートができるその声はとても魅力的。岡崎さんはオーディションというか、面接があったそう。そこで、要さんとの雑談で「うちはアカペラもやるからベース(低音)ができるやつがいい」という話になり、「CHARMING」(スタレビの1986年発売のアカペラアルバム)ぐらいの低音は出ます」と、岡崎さん。そこで要さんはピピっと来たよう。
おそらくスタレビサイドでは、たくさんいろんな人をオーディションした、というより、ほぼ岡崎さんに決まっていたのではないかと思われます。面接で話を聞いて最終決定「決まり!」となったのでは。その証拠に?岡崎さんには面接の合否の連絡がなかったそう・・・。ツアーのリハーサル2日前ぐらいにツアースケジュールがダーッと送られてきたそう。そこで岡崎さんは「受かったんだ・・・。」と驚き、その話を聞いた要さんもまた「え~っ!そうだったの?」と驚いたそう。
なぜスタレビ正式メンバーにならない?
添田さん、岡崎さんはスタレビの正式メンバーではありません。添田さん、岡崎さんはスタレビの歴代メンバーの中で、一番長い年月をスタレビと共に過ごしています。ファンの間では、スタレビのメンバーと言ってもいい存在です。では、なぜ正式メンバーにならないのでしょうか。
要さんが話していました。「添田、岡崎はスタレビのメンバーだと思ってるよ。正式メンバーになってもいいんだよ。でも、そうなると縛られることにもなってしまうから・・・。」と。このお話を聞いて納得したし、何よりうれしかったのです。自分が思っていたことと同じだと。もちろん今までも二人はスタレビ、という気持はスタレビサイドにも、ファンにもありましたし、度々そういった発言はスタレビ側からもありました。
添田さん、岡崎さんはスタレビの活動の他に、ミュージシャンとしてヴォーカリストとして、ご自身の活動もなさっています。そういった活動の制限をスタレビサイドはしたくなかったのでしょうね。光田さんがスタレビメンバーだった頃、スタレビとご自身と、2つのマネージメントに所属していたことがでいろいろと不具合が起きてしまった、という経緯も聞いています。ですから、添田さん、岡崎さんにはスタレビの正式メンバーとして活動してもらいつつ、それぞれやりたい仕事もしてほしい、という想いなのではないでしょうか。
お二人は正式メンバーではないものの、スタレビのファンクラブ会報や、ツアーパンフレット、カレンダー、グッズに登場。ラジオやテレビのメディア出演も当然あります。添田さん、岡崎さんはこれまでもこれからもスターダスト・レビューの一員なのです。それがいつまでも続くように願っています。
お二人が初めて参加して始まった「Style」ツアー。ファンも新たなスタレビにドキドキしていたと思います。もちろん私も。ステージに立つ6人を観た瞬間、1曲目「Brand New Heart」が始まった瞬間、今でもはっきりとその光景を覚えています。そして「大丈夫だ」。そう確信しました。その時の気持ちは間違っていなかったのです。
添田、岡崎さんのスタレビ以外の活動
2023年、添田さんは、野村義男さん率いる、The Good-Byeのライブにキーボーディストとして参加。元爆風スランプのベーシスト和佐田達彦さんらとSUPER JAMというライブにも継続的に参加。要さんのお話だと、添田さんはちょっとした休暇があると、外国へ行って現地のミュージシャンとライブを行ったりしているとか。名前は忘れてしまいましたが、そのミュージシャン陣は、要さんが驚く人たちでした。
岡崎さんは、カラオケのガイドヴォーカルなど声のお仕事を中心に活動。2023年公開のミュージカル映画「シング・フォー・ミー、ライル」で日本吹替版主演の大泉洋さん。大泉さんのボイストレーナーをしていたのが岡崎さんです。アメリカ本国での歌唱テスト、岡崎さんのサポートもあり合格、そのサポートは半年に及んだとか。音楽演出の市之瀬洋一氏も、映画での大泉さん歌唱の高評価に岡崎さんの功績が大きいと絶賛。
スタレビと大泉さんは、2004年のシングル「本日のスープ」大泉洋 with STARDUST REVUEで共演。「水曜どうでしょう」のファンが多いスタレビメンバー。共演にとても喜んでいました。めったにテレビに出演しないスタレビですが、「うたばん」や「ミュージックステーション」など音楽番組にも出演。スープとは北海道で有名なスープカレーの事。この曲がリリースされたあたりから大泉さんの人気も相まってスープカレーの存在が認知されてきたように思います。